修善寺ニュータウンには、この街に隣接して、「修禅寺自然公園」という公園があります。もちろん、その名のとおり、自然豊かな公園ではあるのですが、1haに約1,000本の紅葉の群生林があり、さらに隣にある「修禅寺虹の郷」の2000本には劣るものの、毎年多くの観光客を集める人気スポットです。
また、「自然公園」の名を戴いてはいますが、モミジ中心なので、「修善寺もみじ林」とも呼ばれています。
この 「修善寺もみじ林」では、例年モミジが綺麗な季節になると、麓の伊豆市観光協会の主催により、「修禅寺もみじ祭り」が開催され、地場産品を販売する露店が出店します。また、ここの紅葉に合わせて、麓の温泉街、虹の郷でも、例年もみじまつりが開催され、観光協会ではこの3つを合わせて、「修禅寺もみじ祭り」と称しています。
「修禅寺もみじ林」の今年の開催期間は以下のとおりです。
平成26年11月15日(土)~12月7日(日)
駐車場は、祭り開催期間中、隣接する駐車場が大型バス専用となるため、300mほど離れた修禅寺虹の郷の第二駐車場を利用します(無料)。
さて、このモミジ林の様子ですが、今年もやはり期待どおりの美しさです。
数の上では虹の郷にかないませんが、種類の異なるものが密集して生えているため、色合いが豊で、伊豆随一のもみじ群生地とも言われます。この園地を管理する伊豆市では、今年、さらにこれまで植栽されていなかった斜面にも新たに多数の紅葉を追加で植えており、さらに観光客に楽しんでもらおうという計画のようです。
これらの新しい植栽地では、一年目でもあり、まだ今年は紅葉を楽しめる、というほどではありませんが、来年以降、さらに既存の紅葉とも合わせて、さらにグレードアップした美しいもみじ林になっていくことでしょう。
筆者が訪れたのは、あいにく雨の日でしたが、実はモミジは雨に濡れたほうがしっとりと色合いが濃くなり、写真にとると濃い色になります。知っていましたか?このブログをご覧になってわかるとおりです。
無論、晴れた日には太陽光に鮮やかに映えたもみじをみることができますが、この修善寺もみじ林では、晴れた日にはさらに真正面にドーンとそびえる立派な富士山も見ることができます。
この修善寺もみじ林の一角には、夏目漱石の句碑もあります。漱石は、亡くなる5年ほど前の明治43年に、胃潰瘍のために、麓の修禅寺温泉街に転地療養に来ましたが、ここで800gにも及ぶ大吐血を起こし、生死の間を彷徨う危篤状態に陥りました。これが「修善寺の大患」と呼ばれる事件ですが、幸いその2か月後には回復し、東京へ帰りました。
この時の一時的な「死」を体験したことは、その後の作品に影響を与えることとなったといい、この碑はこのことを記念して建てられたものです。この句碑の説明板を読むと、漱石の修善寺での苦労した療養生活が偲ばれます。
12月になり、紅葉もそろそろ終わりに近づいていますが、修善寺もみじ林の紅葉も、まだまだ中旬ぐらいまでは楽しめるのではないでしょうか。ぜひ一度、みなさんもお越しください。