ニュータウンから南側へ下り、ここにある修禅寺温泉からクルマで10分ほどの場所に、「修禅寺奥の院」という古刹があります。
道すがらはのどかな田園風景が広がり、今日このごろは、水田にも水が張られ、苗が植えられて、初夏の風情を味わうこともできるため、温泉街から健脚の方は歩いて行っても良いかもしれません。おそらく徒歩だと所要40分くらいだと思います。
弘法大師空海が高野山を開山する前に修行したとされる場所です。普段はあまり、多くの観光客が集まる場所でもなく静かで、知る人ぞ知る隠れた観光スポットです。
現場に到着するとかなり大きな駐車場があります(無料)。駐車場脇からそのまま弘法大師が座禅したとされる場所まで上がることもできますが、駐車場左手にある川沿いの道路まで出ると、そこには一風変わった「鳥居」がありますから、ここで一礼をして、先へ進みましょう。
その先には急な石段があり、上り切ると、駆篭の窟(くりゅうのくつ)という岩の洞があり、岩壁には、阿吽(あうん)の多滝と呼ばれる、落差10mほどの滝があります。
その昔、奥の院界隈は「魔」があるといわれて恐れられており人々は近づかなかったといわれており、弘法大師ががその妖魔を退治したと伝えられます。
魔を封じ込めたといわれる石が残っており、「降魔壇」という修行石があります。弘法大師は、この場所で滝の飛沫を浴びながら修業したとされ、この場所は伊豆の中でも数少ない「パワースポット」だといわれています。
このあたりで瞑想すると、浄化され、本来の自分を取り戻すともいわれます。静かな静かな静謐な空間です。
春には新緑、秋には紅葉にも恵まれ、心豊かになります。みなさんも、ぜひとも一度訪れてみてください。
滝壺には清流が流れ込む
江戸期以前よりあると思われる石仏
駆篭の窟・降魔壇のある場所から入口付近を望む
奥の院のほとりにある湯船川の清流